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ＶＯＬ．１ 「最高の夜」 船は大海原を突っ走っている。 あたるを乗せて。 いきなりリサイクルショップから天羽が消えた。 てっきり「小笠原にでも行って、 クジラ見ながらのんびり考え」てるものだと思ってたのに。 だからわざわざ休みをとって船に乗ったのに。 何のことはない。就職活動をしていた天羽は、あたるのところへ電話してきた。 「俺？ 今リサイクルショップ。」 「嘘！！！」 叫んでみてもあたるの乗った船が止まるはずもない。 東京湾は遙か遠くかすんで消えてしまった。 とって返したくても、なにしろ小笠原行き。 着くのは明日。途中で引き返すところなどありはしない。 「下ろして〜！」と叫んだもののどうしようもないのはわかっている。 しょんぼりと船内に入り、ロビーでコーヒーを飲んでいると、 女の子ふたり組から話しかけられた。 「ねえ、東京から？」 「うんそうなんだけど・・。」 「やっぱりクジラ見に来たの？」 驚くあたる。 「ほんとにクジラ、みられるの？」 「知らないの？ この季節は必ず見られるって話よ。」 「必ず？」 「まあ、よっぽど運が悪いと駄目なこともあるらしいけど。」 こんなとこまで運っていわれても。内心たじろぐあたる。 「一緒に行かない？ ひとりじゃ寂しいでしょ。」 屈託なさそうなふたりだ。あたるよりちょっと年下に見える。 どうせ、帰りの便は島に着いて３日後しかない。 あたるは腹を決めた。 せっかくここまで来たんだもん。 見られるならクジラを見てこよう。運をつかまえてやる。 「ありがとう。よろしく。あたし、柚木あたる。」 「野坂志乃。」 「竹井リカよ。」 リカという子が大きな瞳をクリッとさせる。美人だなーとあたるは思った。 その後あたるから音沙汰はない。。だんだん皆が心配し始めた。 まずニューヨークから戻ってきたカヲル。 「なんだよ、小笠原？ それも勘違い？ やっぱり俺より無謀だな。 でも、なんで帰ってこないんだ？ 天羽さんこっちだろ。」 「んなこと言ったって、知らないわよ。てっきりとんぼ返りしてくると思ったのに。 携帯で叫んでたんだよ、『嘘ぉ〜っ』って。」 これはさくら。 「まあさ、あたるちゃんもせっかく島まで行ったんだから、ちょっと息抜きしてるんだよ。 おいしいものでも食べてさ。」 なぜか伊倉もいる。 「大丈夫よ。小笠原は日本なんだし。 それよりカヲル、洋子虫とのニューヨークはどうだったの？」 ニヤニヤしながら聞くさくら。 「まあね。でもやっぱでかい街だわ、あそこ。」 ニューヨークの話に移りつつ、カヲルはあたるを気にしていた。 天羽はどうかというと。 携帯を切って丸２日。あたるは連絡してこない。 こちらからかけてもつながらない。小笠原じゃ無理かも知れない。 「ったく。臨時店長がしょうがねえよな。」 夜、遙を手伝いながら漏らす。 すでにサラリーマンに戻った天羽。遙があたるの留守中来ているのだ。 遙が天羽にとりなす。 「知ってる？ あたし調べたんだけど、小笠原って船しかないのよ。 おまけに着くのは翌日。帰りの便はそれから早くて３日後。」 「げ、そうなんだ。」 「帰ろうにも帰れないの。お休みは一週間とってあるのよ。 せっかく小笠原までいったんだから、遊んでるのよ、あたるさん。 「・・・そっか。」 「旅の空だもの。案外素敵な人とめぐり逢ってるかもよ。意気投合してたりして。」 思わず遙をにらむ天羽。吹き出す遙。 「天羽君でもそんな顔するんだ。あたるさんて凄いわね。」 「遙、おまえな。」 「大丈夫だって。ちょっと羽を伸ばしてるだけでしょ。 天羽君がそんなに心配性だったなんてね。」 天羽はプイと店の奥へひっこんでしまった。 遙はクスクス笑いながら店を後にする。 「じゃあね。また明日。」 天羽のイライラは疲れもあった。 久しぶりのサラリーマンはやはり緊張するし、ストレスもたまる。 なにしろ６年あまり風来坊生活だったのだ。 心機一転、気合いも入っているが、あたるのいないのが結構こたえている。 そしてそれが意外でもあった。 人と関わらない自分だったのに。なんだか情けない気もした。 「あのバカ、何やってんだか。」 さらに１日過ぎた。 「海におちたんじゃないの？」 さすがにさくらが心配し始めた頃。 しぶきをあげて走る船上で、あたるは双眼鏡を握っていた。 小笠原に着いてずっと、参加しているクジラウォッチング。 おとといも昨日もクジラに会えなかった。 こんなこと滅多にないのにと、島の人もぼやく始末。 もう３日目。今日会えなければあきらめるしかない。 やっぱりあたしって運がないんだろうか。ため息が漏れる。 ちょっと風があり船が揺れ気味だ。 船尾にいるあたるに、この旅でいっしょになったうちの一人、リカが話しかけてきた。 「嫌になっちゃうよね、せっかく来たのに。」 「あたしのせいかも。」 「えー、どうして？」 「あたし、あんまり運が良くないのよね。」 「そんなことないよ。これだけ人がいるんだから。 あなたの運だけで、クジラが逃げたりしないよ。」 勝ち気そうな子だった。あたるより２つ年下で、この４月から社会人とか。 就職を目前に最後の一遊びを楽しみにきたらしい。 「あたるさんて、彼氏いないの？」 「え？」 「だって、女の子ひとりって珍しくない？」 「・・そうだよね。」 「あれ、いるんだ？」 「そんなに意外かな。」苦笑するあたる。 「なんで彼氏来ないの？」 「いるはずだったんだけど・・。ほんと、わかんない奴でさ。」説明はしづらい。 「？」 「まあ、いいじゃない。あなたは？」 「あたし？ ボーイフレンドはいっぱいいるんだけど。」 「うん、いそう。」 「続かないのよね。あたし、わがままらしくて。」 そうかも・・と声に出さず思うあたる。 まだ知り合って３日だが、かなりインパクトが強い。良くも悪くもはっきりしすぎ。 今まで思い通りにならなかったことはあまりなさそうだ。悪気はないようだが。 「だから、４月から期待してるの。」 「彼氏、見つけに行くんだ？」 「そういうわけじゃないけど、いたらそれにこしたことないでしょ。」 「そりゃそうよね。」 「あたるさんの彼氏ってどんな人？」 問われて考えるあたる。 「うーん・・。口が悪くて、すぐからかって、強引で、横暴で・・。」 「いいとこあるの？」呆れるリカ。 「・・優しい。」 「強引で横暴なのに？」 「いつもはね。肝心な時に凄く優しい。優しいっていうか、支えてくれる。」 「支え？」 「温かい人。」 そう言ったあたるの表情にリカは気づく。それまでとは別人のような表情。 「なんだ、のろけてるんだ。」 「え？ あ、あはは。でもね、つかみどころがなくて。 この海のクジラみたいだわ。 出てこーい！」 叫んだ途端、あたるの目前で黒い巨体が浮かんだ。 おおきな水しぶきが飛んで、大きな尾ビレがはねた。 あたるとリカは息をのんだ。 「ク、クジラー！！！」 なんで一緒にいないのー？ 心で叫ぶあたる。 天羽に見せたかった。天羽と一緒に見たかった。 その天羽は心配が募るばかりだった。 だが、会社でそんなそぶりを出すわけにはいかない。 やたらと疲れを感じて帰ってきた木曜の夜。 天羽の携帯が鳴った。直感で画面も見ずに携帯をひっつかむ。 「もしもし？」 「やっほー、あたしだよ。」 あまりにも脳天気なあたるの声に、それまでの心配と安堵がどっと押し寄せた天羽。 知らず大声で怒鳴っていた。 「バーカ！ 連絡ぐらい入れろ！ 何やってんだ！！」 すごい剣幕に声も出ないあたる。 「何も言ってこないから、みんな心配してるだろ！」 「・・・ごめん。」 ショボンとした声に天羽は我に返る。 「でも、そんなに怒らなくったって・・。」 「あれっきり何の連絡もよこさないから。」 「せっかく来たんだもん。帰りの便は限られてるし。 ねえ、クジラ、ほんとに見たんだよ。」 「クジラ？ 何言ってんの？ お前。」 自分が言った冗談が、まさかと思う天羽。 「あのね、ホントにこの時期この辺でクジラが見られるんだよ。 一緒に船に乗った人たちに教えてもらってね。行って来たんだ。 クジラ、みたの。本物！」 驚く天羽。 「でね、そのくじらのツアーで、行ったり来たりしててー。 携帯つながらないし。船で行って帰るから疲れて寝ちゃうし。連絡できなくて。」 黙り込んだ天羽が気になり、だんだん声が小さくなるあたる。 「心配させちゃった・・・かな。えー、でもさ、人のこと笑ってたくせに・・・。 ごめんなさい。」 天羽が笑い出す。いぶかるあたる。 「・・ねえ、怒ってるの？ 笑ってるの？」 やっと笑いを抑えた天羽。いつもの調子に戻る。 「なにお前、いつ帰ってくるの？」 その声にホッとしたあたる。 「明日の船で帰る、っていっても、東京につくのはあさっての３時頃かな。」 「なんだ、明日帰るんだ。」 「うん。だから今更とも思ったんだけど。そんな心配してるなんて思わなかったし。」 「じゃ何でかけてきたんだ？」 「ちょっと、気になったから。」 「なにが？」 「仕事、どんなかなって。久しぶりでしょ。大変なのかなって。・・大丈夫？」 天羽はポッと温もりを感じた。 同時に不安が消えた。 そう、あたるの姿が見えないことが不安だったのだ。 「もしもし？」 「大丈夫に決まってんじゃん。お前じゃあるまいし。」 明るい声にあたるも安心する。 「そっか。そーだよね。心配して損した。」 「俺も損した。」 二人は笑った。 「明日、帰るね。」 「ん。船から落ちるんじゃねーぞ。」 携帯を切ってホッとした天羽。着くのは土曜か。仕事も休みだ。よし。 土曜の午後。 東京湾におがさわら丸が着いた。 船から下りたあたるは大きく伸びをする。 「あー、帰った。」 「あたるさん。」 リカと志乃が声をかける。 「バス？ 電車？」 「途中まで一緒に行こうよ。お茶しない？」 「うーん、どうしようかな。早く戻った方がいい気もするし。」 ゆうべの天羽がやっぱり気になる。 「今日はまだ仕事休みなんでしょ。」リカが聞く。 「そうなんだけどね。・・・あれ？」 なんとなくあたりを見回していたあたる。 向こうに見えるバイクに目が止まる。 見覚えのあるカワサキに寄りかかっている。 あのシルエット。 「ごめん、ここで。いろいろありがとう。じゃあね。」 あいさつもそこそこに、走り出した。 「あ、あたるさん。」 見送ったリカと志乃。 「どうしたんだろう。」 「ん、・・・ああ、あれ。彼氏かな？」 リカはあたるが走る先をなんとなく見ていた。 メットの陰から降りてきた人波をみていた天羽。 天羽があたるを見つける前に、あたるがこっちへ走りだした。 それに気づき、笑みを浮かべ、メットをはずしてハンドルにかける。 一直線にかけてきたあたるは、メットをはずした天羽に驚いて立ち止まった。 「どした？」 「・・・髪。切ったの？」 そういえば、切ってから会ってない。 「まあな。就職したし。」 「なんか、見慣れなくて変な感じ。」 「だんだん天使っぽくなるだろ？」 天羽の言葉にあたるは首をかしげる。 「えー、昇格しきれない悪魔って感じ。」 「ずいぶんじゃん？ 店長に昇格しても遊んでる奴がさ。」 「あなたが黙っていなくなるからでしょ。」 「俺、遙には言っといたんだけど。」 「嘘ぉ。」 あたるの声に笑う天羽。 「遙もまさか、島まで行くとは思わなかったんだろ。」 「もう、遙さんまで。」 天を仰ぐあたる。天羽と目があって笑う。 「いいや。クジラ見られたし。」 「ホントに見たの？ お前。」 「ほんとにほんとだよ。いいでしょ。」 バイクのうしろに乗るあたる。ヘルメットを渡す天羽。 「帰るぞ。」 「うん。」 帰るんだ。その言葉が嬉しい。 きゅっと天羽の背中にしがみつく。 天羽もメットの下で微笑む。 リサイクルショップに着いた。店では遙が待っていた。 「おかえりなさい。」 「すみませんでした。無理言ってお休みしちゃって。」 「ううん、あたしこそごめんなさいね。」おかしそうに笑う遙。 「そうですよ、遙さんまで。」文句を言うあたる。 「ふつう、確かめもしないで小笠原までかっとばないって。」 天羽の言葉にあたるはぐうの音も出ない。 「遙、ほら、時間だろ。」 「うん。ごめんね、あたるさん。帰る早々。」 「あ、今日何か予定があったんですか？」 「違うの。急にね。」 「デートが入ったんだよな。」天羽が口をはさむ。 遙が照れたように微笑む。 「あー、そうなんですか。」 「うん。良介と３人でね、入学祝いってとこ。 天羽君に頼んでいくつもりだったのに。 天羽君、あなたが待ちきれなくてね。」 「な、何言ってんだよ。」 珍しくあわてる天羽。あたると目があってそっぽを向くのが可愛い。 遙がクスクス笑っている。 「早く行けよ。遅れるぞ。」ぶっきらぼうに天羽が言う。 「はいはい。あたるさん、疲れてるだろうから、早仕舞いしてね。」 「大丈夫です。ゆっくり休ませてもらったし。」 「無理しないで。今の臨時店長はあなたなんだから。じゃね。」 タクシーを拾う遙を見送った後、二人の間に微妙な空気。 咳払いして言う天羽。 「お昼食べたのか？ 遙がお弁当作ってくれてるけど。」 「ほんと？ やったぁ。」 店にとびこむあたる。天羽が笑い出す。 「ほーんと、単純なやつ。」 船で軽く食べたものの、おなかの空いていたあたる。 遙のお弁当はやっぱりおいしい。 幸せそうに食べながらふとあたるは考えていた。 （カヲルにちゃんとお料理習おうかな。） 遙まではとてもじゃないが、ふつうくらいにはなりたい。 天羽の携帯が鳴った。 「はい、俺です。はい。わかりました。」 切るとあたるに言う。 「いくぞ。」 「へ？」 「引き取り。大急ぎ。」 「えー、お弁当。」 「食べたろ。休んだ分しっかり働く。」 追い立てられて車に向かった。 久しぶりに戻ってきたら、なんだかやたらと忙しかった。 １件すんだと思ったらまた１件。帰り着かないうちにもう１件。 結局ずっと、店と引取先との往復になってしまった。 日も暮れた後、２人ともへとへとになって帰ってきた。 「何なの？ こんなに忙しいこといままで無かったのに。」 椅子に倒れ込んだあたる。 「春先が一番忙しいんだってさ、この仕事は。」 「そうなの？」 「いや、俺も初めてだけどさ。俺が店長になったのは去年の秋の終わりだし。」 「あ・・あ、そっか。」 「でもそうだろ、引っ越しシーズンが一番忙しいんだよ。」 「そうか。そうだよね。」 はぁーっとため息をつく。 「弁当の残り、食べちゃおうぜ。」 「助かっちゃったね。買いに行く気力もないもん。」 残りで十分だった。遙に感謝だ。 やっと人心地ついた二人。 店を閉めてからビールになった。 「くじら、ホントに見たのか？」 「うん、本当だよ。」 あたるは旅の話をする。 「・・・でね、あたしが出てこーいって言った瞬間にクジラが現れたの！ ホントだよ。」 「なに、おまえが呼んだの？」笑っている天羽。 「そうかな。そうかも。呼んだのが聞こえたのかも。」 「マジ？ その気になるなよ。なんてクジラ？」 「ザトウクジラ。おっきいんだよ。 潮吹いたのが見えたと思ったら、しっぽがはねてね。 それから体が見えたの。黒くてつやつやして綺麗で。うれしかったぁ。」 「へえ、ほんとに見られるんだ。知らなかった。」 「知らなくて言うかな。ほんと、いい加減だよね。それでね・・。」 すでにあたるは話すことに夢中だ。 出会ったクジラのことを事細かに説明し始める。 ソファにねっころがって聞きながら、だんだん眠くなる天羽。 ひとしきり話した後、思い出したあたる。 「あ、そうだ。おみやげ。」 荷物に飛んでいって、小さな包みをとってくる。 「あれ？」 気がつくと天羽は眠り込んでいた。 「まーただよ、この人。いきなり寝るんだから。」 ぶつぶつ言いながらそばに座り込む。 眠り込んだ天羽を見るのは何度目だろう。 やっぱり疲れてるかな。 昨日まで仕事で、今日は迎えに来てくれて。 そのまま引き取りに忙殺されて。ほんとは休みたかったんじゃないかな。 立ち上がって毛布をかけてやる。 寝顔を見ていたいけど、ゆっくり寝かせてあげたい気もする。 「帰ろっかな。」 手にしていた包みを机の上に置く。 眠ってる天羽につぶやく。 「今度はくじら、一緒に見たいな。」 立ち上がったら、手首をつかまれて驚いた。天羽が目を開けている。 「どこいくんだ？」 「起きてたの？」 あせるあたる。そのまま、起きあがる天羽。 「寝ちゃったんだ、俺。」眼をこする。 「疲れてるんでしょ。仕事も始めたばかりだし。今日は忙しかったし。」 なるべく軽く言ってるつもりだが、つかまれたままの手にドキドキしている。 「休んだ方がいいよ。あたし、帰るから。」 「なにおまえ、逃げるの？」 ひっこめようとした手を天羽は離さない。 「なんで逃げなきゃならないの？」 口をとんがらせたあたるに笑う天羽。 それからふいに。 「エッチしようぜ。」 「はぁ？」 あたるはなんて言ったらいいのかわからない。それはそうだ。 天羽はまじめに聞く。 「嫌か？」 「・・からかってないよね？」 どうも小笠原の後遺症がぬけない。 天羽は立ち上がると、つかんだままだった手を引いてあたるを抱き寄せた。 耳元でささやく。 「なかなか戻ってこないんだもんな、おまえ。 そのまま消えるんじゃないかと思ったよ。」 笑い出したあたるは、緊張がぬけて天羽を見上げる。 「それでつかまえに来てくれたの？」 返事をしないで微笑んだ天羽は、そっと唇を重ねる。 あたるがかすかに震える。 閉じた瞳の奥で、水しぶきがはねるのが見えた。 出会ってから３ヶ月。 最悪の出会いが最高の幸運になった夜。 |
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