２．＜　檻おり　＞


欲しい物は捕まえる。
欲しい物は奪い取る。
欲しい物は手の中に。

ずっとそうだったのに。


変わらぬものはないと知っている。
春夏秋冬。
毎年四季は同じ顔をして訪れ、騙されそうになるけれど。

決して同じではない。
時は常に新しい。

それを。
それこそを望んでいたのに。

今まで。


見つめてくる目。
向けられる笑み。
すりつけられる温もり。

その後ろに恒久を見ていた。
いつの間にか。


気づいて。
湧いてきたのは、苛立ちだった。


捕まえようとしたのは、自分だったはず。
奪い取るのは、自分だったはず。
この手の中に。

何故。
囚われ、縛られ、繋がれたような気がするのか。


それは自分じゃない。
囚われ、縛られ、繋がれてしまったら。

そう。
だから。


行こう。
檻の扉が、閉まる前に。