02. チョコレート 遙×ジム＋良介 （おとこ運勝手につづき） 02. チョコレート 遙×ジム＋良介 （おとこ運勝手につづき）
「はい、おみや・・」 「やったぁ〜っ。僕のっ！」 ジムが差し出した箱は、 遙の手に落ちる前に良介に奪い取られた。 そのすばやさに遙はあ然とし、ジムはクスクス笑うばかり。 ちょっと悔しい。 「ねえ、良介。ママにはくれないの？」 声が拗ねないように気をつけて言ってみる。 だってあれ・・・美味しいのに。 海外出張の多いジムだが、帰る時はお土産を買ってくる。 今回みたいなとんぼ返りの仕事でも、必ず。 そこまで気にしなくてもいいのにと思いながら。 やっぱり嬉しい。 いつでも。 どこにいても。 忘れていないよ。想ってるよ。 たかがお土産。ジムは気配りの人だからと知っているけど。 嬉しいものは嬉しいから。 ー良介ったら、ずるいー ３人での夕食は互いの近況報告。 学校でのいろんな出来事を機関銃みたいに話す良介と、 海外での出来事を語るジムと。 おかげで遙はもっぱら聞き役で、それも楽しかった。 それぞれ部屋へ引き上げるとやっと、夫婦の時間になる。 「お疲れ様」 「疲れるほどじゃないよ。行って戻ってきただけだし」 「逆に疲れないかなって」 「いや。君のそばに戻れる方が嬉しい」 遙の頬が熱を持つ。 こういうストレートなところは、日本人じゃないなと実感する。 恥ずかしくなる前に抱きしめられていて、逃げ場がない。 逃げるわけじゃないけれど。 「ほら」 遙の腰を抱いたまま、ジムが片方の手で差し出したもの。 「・・・あら、これ」 少し小さめだけど、さっき良介に浚われたのと同じ包み。 「どうして？」 ジムが微笑む。 「良介の大好物だから。二人で取りあいしそうだなって」 「そんなことしないわよ」 「そう？ 拗ねてたくせに」 図星を指されて、遙がさらに赤くなった顔をうつむかせた。 やっぱりクスクス笑うジムの声が憎らしい。 「・・・意地悪ね」 「遙だって大好物だろ。知ってるよ」 その言葉に満たされる。 みつめあった距離が縮まっていく。 夜はこれから。 わかってくれるあなたを、誰より愛してる。 その手から落ちた美味しいチョコレートは、 明日までお預け。 ＜ 02 / end ＞ |
★あとがき★
大方の予想通り？（笑） 遙とジムと・・・良介、あれだけかい？（爆）
甘甘ですが、ジムなので。ええ。照れもしない（ほんと）
さて、このチョコレートはどこのでしょう？ ご想像下さいませ。
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